経済・社会・文化・生活などあらゆる面でグローバル化が急速に進み、地域社会、産業界にとって変化に対応できる人材の確保が課題となっています。これからの時代を担う学生が、それぞれが選んだ場所で生涯にわたって活躍し、豊かな人生を送るためには、社会人としての基礎力を身につけることが求められます。

北九州市立大学では、2012年度から副専攻「Global Education Program」及び「Global Standard Program」などのグローバル教育プログラムを展開し、世界の様々な舞台に積極的に挑戦し、活躍できる人材の育成を行ってきました。これを継承し、より多くの学生がチャレンジしやすいプログラムとして改編し、2019年度より実施しているものがKitakyushu Global Education Program(KGEP)です。

KGEPは、学生がグローバル化する社会で活躍するうえで必要なスキルを高めるにあたり、大学の国際的なリソースを活用し留学や海外プログラムに参加するだけでなく、留学や海外プログラム参加を検討する助走段階から、帰国後、海外体験で得た気づきやスキルを基にさらに飛躍を遂げようとする段階まで、学士課程全体を通じ、学生個々のグローバル人材としての成長を包括的にサポートしていくプログラムです。

学士課程全体を通じた学修支援

留学先での学修に円滑に入っていけるよう、留学前から留学生活に際して必要なスキルや知識、マインドを醸成できる学修や活動に取り組みます。また、帰国後も本プログラムで継続して学修や活動に取り組むことで、留学生活の経験や培ったスキルを活かしたり、フォローしたりしていくことができます。
「Advancedコース」では高度な英語科目で英語運用能力を高めるほか、英語で学術的な内容を学ぶことで留学先の大学での講義受講に備えることができます。また、帰国後も英語で専門科目を受講すること続けることで、留学で伸ばした語学力を維持しながらグローバル人材としての基盤を形成していきます。
「Challengeコース」では4つの領域での活動を通じ、メダルや称号を獲得しながら、留学生活に向けた心構えを形成していきます。また留学後は、留学で得た経験や気づきを活かす活動を中心に、さらにメダルや称号の獲得を続け、キャリア形成の一端につなげていきます。

留学準備科目「世界での学び方」

KGEPでは、留学準備科目として「世界での学び方」を開講しています。
当科目は、学生が留学や海外体験プログラムを円滑に実施し、より充実した留学生活を送ることができるよう必要な知見や視座を提供することを意図しています。
基盤教育科目ですので、留学や海外プログラムへの参加を考えている学生のみならず、海外渡航について躊躇している学生にとっては留学や海外プログラムへの参加を含めたキャリア形成を検討する機会、海外関連プログラムに参加するのは敷居が高いと感じている学生にとっては、世界への視野を広げ、視点を転換する機会とすることができます。

就職活動でのアピール

「Advancedコース」を修了した学生には、卒業時に卒業証書に加え、「副専攻修了書」が授与されます。これは、主専攻(学科、学類)分野に加えて、もう一つの専門性を学修したことを示すものです。
「Challengeコース」では、4つの領域での活動を通し「メダル」が付与されます。また、獲得したメダル枚数に応じて5段階の「称号」が設定されており、一定要件を満たすとそれに応じた「称号」が付与されます。これは学修を継続する中、学修成果を振り返り、達成度を可視化するものです。
いずれのコースの参加者も、就職活動時に大学が発行する「学生活動実績認定シート(仮称)」にKGEPでの取り組みが活動実績として記載されることになります。エビデンス(証拠)が重視される就職活動において、具体的なアピールポイントとして活用することができます。

留学や海外プログラム参加時の
経済的支援制度

両コースの核となる海外体験では、本学の海外プログラム制度を積極的に活用できるように、交換・派遣留学プログラムやその他の海外プログラムに参加したときは渡航費用の一部を補助する奨学金制度を活用することができます。これを使えば、経済的負担を抑えて留学や海外プログラムに参加することができます。

担当教育からのメッセージ

二宮 正人(国際教育交流センター長・法学部教授)

KGEPは、グローバルリーダーを育成するために、また日本社会の変化(グローバル化の深化)に対応できる人材を養成するために用意したプログラムです。
Challengeコース(北方キャンパスすべての学生が対象)は、学生自らが「学ぶことの意義を考えながら、自発的に行動してもらうこと」を重視し、遊びや楽しさの要素を入れたプログラムとしました。海外の学生等とのさまざまな交流プログラムを用意するとともに、「還元力」「語学力」「海外体験」「知識力」という4つの指標を設定し、それらの力をそれぞれのニーズに応じて伸ばしてもらうための仕掛けです。よりたくさんのメダルを集め、より高い称号が獲得できるよう、楽しみながら、取り組んでもらえればと思います。
Advancedコース(英米学科以外の学生を対象)は、海外の大学での長期留学(学部留学)を志す人たちのための準備講座という性格を有しています。英米学科で開講されている、英語で行われている専門科目の授業などを受講することで、スムースに現地での留学生活に入っていけるようにと考えられたものです。そのため、大学内留学という側面もあわせ持っています。結果、実際の海外体験が難しい学生にとっても、魅力的なものとなっています。
みなさん、自分の夢に向かって、挑戦し続けてください。
まずは基盤教育センターの科目「世界での学び方」でお会いしましょう。

友松 史子(国際教育交流センター 特任准教授)

人、もの、情報は日々ものすごいスピードで国境をまたいで行き交い、これに伴い私たちの取り巻く環境も目まぐるしく変化しています。
そのような変化のうねりの中で、語学力とともにグローバルな教養、視点を身に付けるだけでなく、課題を見つけ主体的に解決していく力、数ある情報の中から最適な判断をして素早く行動を起こせる能力、粘り強くやり遂げる、難しい状況に直面しても粘り強く乗り越え行く力、様々なバックグラウンドを持つ人たちと上手に連携していく力といったものは、みなさんにとって将来、大きな武器となります。
海外体験は語学を伸ばすだけではなく、渡航先の生活の中で日本で生活するだけでは遭遇することのないたくさんの”初めて”を経験する機会でもあります。例えば、日本のやり方がすべてでないことを知ったり、今まで考えてもみなかったような考え方や価値観に出会ったり、時には日本ではさっさと済ませることができる用事も1日かかってしまったり、日本の友だちには何も言わなくても意を汲んでもらえることも、現地の友だちにはなかなか理解してもらえなかったり、楽しいこともつらいこと、困難なこと、その一つ一つの経験起伏に富んでいると思います。
この起伏に富んだ経験は、先に述べた力をはじめとして視点を転換する力、柔軟性、リーダーシップなど様々な力が引き出したり、さらに伸ばしたり、新たに培ったりとダイナミックな成長機会となります。
KGEPは、みなさんがグローバル社会で活躍するために求められるスキルを学士課程を通じ、主体的に伸ばしていくことをサポートするプログラムです。一人ひとりがKGEPを羅針盤としてグローバル社会で活躍するために自分に必要なスキルを培っていくことを期待しています。